![2013 Emmanuel Rouget Bourgogne Aligoté [2013] | ブルゴーニュ アリゴテエマニュエル ルジェ](http://virtualcellardoor.myshopify.com/cdn/shop/files/oAF59BFdQw6SXOgnH7d3yA_pb_x600_51454992-3805-49fe-8356-a505f3bcb7c1_{width}x.png?v=1718787482)
天才肌。
アンリ・ジャイエとはそういう蔵氏だろう。
理屈理論でなく、目で耳で、身体でワインを構成していく。
その鋭敏な感覚と豊かな経験をもつ高名な叔父の厳しい薫陶を受け、ルジェは期待に背かぬ、今やそれ以上のワインを作ろうとしている。
ジャイエのスタイルを守りながら、自身の個性を重ね合わせてひとたび口にすれば、五感を振るわせるほどの至福を与える彼のワイン。
単なる踏襲でなく、これがルジェの個性のなせる技でなくてなんであろうか。
引退してなお人を魅了しつづけるジャイエのワイン。
その伝説を忘れさせず、感動とその名を人の心に更に鮮明に焼き付ける彼こそ第二の伝説の男となるにふさわしい。
ルジェの蔵に整然と言う文字はない。
ものの所在はあちらこちらに自由奔放に乱れている。
この混沌の中から、あれほど明快で豊かで、繊細で美しく、そして力強い作品が生まれてこようとは誰が想像できようか。
秘伝中の秘伝を身体と心で体得したエマニュエルの人知れぬ努力がそこに見事に花開いてみせる。
血は濃い。
いいや、技の伝承こそ血の継承の証なのかも知れない。
ジャイエに会いたければルジェのワインがその答えを教えてくれる。
この中ににジャイエを閉じ込めたんだよ。
エマニュエルの静かな声が聞こえてきそうだ。
なぜ彼に、こんなにおいしいワインが造れるのか。
畑を見ても、当人を見ても分からない。
ただワインは語っている。
ドメーヌ・エマニュエル・ルージェは天才アンリ・ジャイエが見そめた常識を超える天才だからと。
そして、ワインを大切に造る心もジャイエから引き継いでいるからだと。